クルージングは、海の青さや波の音、広がる水平線を満喫できる素晴らしい体験です。
しかし、その楽しみも船酔いが起こると台無しになってしまいます。
そこで今回は、船酔いの原因や船酔いを簡単に解消する方法、予防法などについて解説します。
船酔いしやすい人や近々船に乗る予定の方は、ぜひ参考にしてください。
船酔いとは?
船酔いは「動揺病」とも呼ばれており、船だけでなくバス、自動車、さらにはVRゲームや機械などのシミュレーターでの3Dでもみられる症状です。
この症状は2歳頃から始まり、三半規管の成長とともに12歳頃にピークを迎え、その後は減少していく傾向にあります。
また、遺伝的要因が大きく影響し、男性よりも女性、西洋人よりアジア人に多いとされます。
船酔いの原因はさまざまで、環境的な揺れや特有の匂い、心理的な不安、身体的な条件、睡眠不足などが大きな要因です。
船酔いしにくい船や部屋の特徴
船や部屋によって船酔いになるリスクを減らすことができます。
ここでは、船酔いしにくい船や部屋の特徴について解説します。
大きな船は船酔いしにくい
大型の船は安定性が高く、小さな船に比べて揺れが少ないため、船酔いしにくいといわれています。
大きな船はその巨体で多くの波を吸収し、平滑な航行を可能にするため、乗客は揺れを感じにくいです。
また、昨今海を走っている船には、船の走行によって発生する横揺れを制御する、フィン・スタビライザーというシステムが導入されていることも多いため、船酔いしにくくなっています。
このようなことから、長距離のクルーズや大洋を渡る船旅では、大型船が船酔い対策として効果的になります。
船の中央部は酔いにくい
船の設計上、中央部は揺れの影響を受けにくいとされています。
船の前後よりも中央の方が、上下や左右の動きが緩和されるため、船酔いしにくい位置です。
反対に船首および船尾寄りの客室は、中央部に比べて揺れの影響を受けやすくなります。
特に波の影響をダイレクトに受ける船首部は船酔いしやすいため注意しましょう。
天候によって酔いやすくなることもある
船酔いのリスクは天候によっても変わります。
荒天時には、波が高くなり船の揺れが激しくなるため酔いやすいです。
そのため、船旅を計画する際は天候をチェックし、可能な限り穏やかな海況を選ぶことが重要になります。
船酔いの主な5つの原因
船酔いの主な原因は以下の5つが挙げられます。
船酔いの主な5つの原因
- ●疲れや睡眠不足
- ●視覚や聴覚への刺激
- ●自律神経の乱れ
- ●不快な湿度と室温
- ●食べ物や飲み物の影響
それぞれについて詳しく解説します。
疲れや睡眠不足
疲れや睡眠不足は、船酔いの大きな原因です。体が疲れていたり、睡眠時間が短かったりすると、身体のバランスを取る「内耳」の機能に影響を及ぼします。
体が疲れていると脳が内耳からの情報を適切に処理できず、平衡感覚が乱れることで船酔いを引き起こしやすくなります。
睡眠不足はこの効果をさらに強め、身体のバランスを保つ能力が低下して揺れに対する感受性が高まります。
視覚や聴覚への刺激
視覚や聴覚への刺激は、脳に送られる情報の矛盾を引き起こして船酔いの原因となります。
たとえば、動いている環境の中で静止した物を長時間見続けると、視覚は静止していると感じる一方で、内耳は動きを感じ取ります。
この情報の不一致が船酔いを引き起こす原因です。
また、船内で響くエンジン音やその他の騒音によって不快感が増し、平衡感覚に影響を与えることがあります。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れは、ストレスや不安など心理的な要因によって引き起こされます。
これにより、身体の平衡を維持するための神経系の機能が正常に働かず、船酔いへと繋がります。
特に、船旅への不安や恐怖心が強い場合、自律神経のバランスが崩れやすいです。
また、前述していたような疲れが溜まっていたり、睡眠不足で当日のコンディションが優れていなかったりする状況でも、自律神経は乱れてしまいますので注意が必要です。
不快な湿度と室温
船内の不快な湿度と室温も船酔いの大きな原因です。
不快な湿度や暑すぎる、または寒すぎる室温が身体にストレスを与えることで、平衡感覚が乱れて船酔いを感じやすくなります。
快適な湿度と温度を保つことは、船内での体調を整え船酔いを防ぐうえで重要です。
食べ物や飲み物の影響
食べ物や飲み物も船酔いに大きく影響します。
特に、ラーメンやステーキ、天ぷらなどの油っぽい食事やお酒のようなアルコール飲料は胃腸に負担をかけ、気分が悪くなりやすいです。
また、過食や空腹も同様に、船酔いを起こしやすい原因になります。
乗船する際は、あっさりした食事や軽食を摂取しておくことが大切です。
船酔いになった際の対処法
どうしても船酔いになってしまった際は、どのような対処法を取れば良いのでしょうか。
ここでは、船酔いになった際の3つの対処法を解説します。
以下の3つの対処法をとり、症状を和らげましょう。
船酔いになった際の対処法
- ●酔い止めを飲む
- ●多めの水を飲む
- ●遠くを見る
それぞれについて詳しく解説します。
酔い止めを飲む
船酔いになった際の一般的な対処法として、酔い止め薬を飲むことが挙げられます。
特に、アネロンという酔い止めは、釣り人をはじめ多くの船乗りに信頼されている酔い止めです。
アネロンは、その即効性と高い効果で知られており、荒れた海でも船酔いの症状を大幅に軽減させることができます。
酔い止めの錠剤は少し大きめですが、十分な量の水とともに服用することで、飲み込みやすくなります。
船酔いの症状が発症してから服用しても効果はありますが、1日1回船に乗る30分前に服用することで最大限の効果を発揮します。
そのため、船酔いの症状が出るか不安な方は、事前に準備して出航前に服用しておくと良いでしょう。
ただし、15歳未満の方の服用や他の医薬品との併用摂取、服用後の車の運転は禁止されているため、これに該当する服用は控えましょう。
多めの水を飲む
船酔いの症状が出た場合、十分な水分補給を行うことが重要です。
特に、船酔いによって嘔吐してしまうと脱水状態に陥り、さらに症状を悪化させる可能性があります。
そのため、定期的に水または温かいお湯やお茶を飲むことで胃の不快感を和らげ、体のバランスを保つことが必要です。
また、アルコールを含む飲料は、脱水を促進し症状を悪化させるため避けましょう。
水分補給は、船酔いによる体の不快感を軽減するための重要な手段なので、こまめに水を飲むことが大切です。
船酔いする心配がある場合は、自宅から水筒を持参したり、乗船前にコンビニなどでペットボトルの飲み物を購入したりすると良いでしょう。
遠くを見る
船酔いを感じ始めたら、遠くの景色や水平線に目を向けましょう。
この方法では、目で捉える静かな景色と内耳からの動きを感じる感覚が一致し、脳への情報が整合するように働きかけます。
結果として、船酔いによる平衡感覚の乱れを改善して不快な症状を和らげることが可能です。
さらに、外の新鮮な空気に触れることで、吐き気が軽減されるため、気分もすっきりします。
船酔いしないための予防策
船酔いにならないためには、あらかじめ予防しておくことが重要です。
以下の6つの予防策を講じて、少しでも船酔いをしないようにしましょう。
船酔いしないための予防策
- ●偏光サングラスを用意しておく
- ●軽食を摂っておく
- ●コーヒーを飲んでおく
- ●十分な睡眠をとっておく
- ●換気を行いにおい対策
- ●読書やゲーム、スマホなどの使用は控える
それぞれ詳しく解説します。
偏光サングラスを用意しておく
偏光サングラスは、水面の乱反射を減らして水中をクリアに見ることが可能です。
船上では、これが視覚からの刺激を和らげて脳への負担を軽減する効果をもたらします。
乱反射による眩しさを軽減することで、目の疲れや頭痛を防ぎ、結果として船酔いのリスクを大きく軽減できます。
車酔いやその他の乗り物酔いにも効果があるため、乗り物酔いに悩む人にとっては必携のアイテムです。
軽食を摂っておく
出航前に軽食を摂っておくと船酔いになりにくいです。
空腹時や、お腹に溜まりやすい重い食事を摂った満腹時にも、胃に負担をかけることで船酔いを引き起こす可能性があります。
消化に良い食べ物を少量摂ることで、胃を適度に満たして船酔いのリスクを軽減できます。
バナナやヨーグルト、サンドウィッチなど軽くて栄養価の高い軽食を摂ると良いでしょう。
コーヒーを飲んでおく
カフェインを含むコーヒーは自律神経を整える効果や集中力を高める効果があり、船酔いの症状を軽減する可能性があります。
また、コーラなどの炭酸飲料も同等の効果があるとされています。
特にコーラの場合では炭酸だけではなく、カフェインも含まれているため、一度に両方摂ることができるのです。
しかし、柑橘系のジュースなど胃酸の分泌を促す飲み物は、反対に乗り物酔いの症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。
事前にこれらの飲み物を飲んでおくことで、船酔いの症状を和らげる効果が期待できるでしょう。
十分な睡眠を取っておく
十分な睡眠は、船酔いを予防するために不可欠です。
睡眠は身体と心の両方をリフレッシュさせ、ストレス耐性を高めます。
良い睡眠を取ることで、乗り物の揺れに対する身体の感受性が低下し、船酔いが起こりにくくなります。
出発前の夜は、快適で静かな環境を整え、リラックスして質の高い睡眠を確保することが大切です。
十分な睡眠時間を確保できるように事前に計画しておきましょう。
換気を行いにおい対策
閉ざされた空間での悪臭は、船酔いの原因となることがあります。
過去に船酔いを経験したことがある人はにおいと不快な記憶が結びついており、気持ちが悪くなってしまうことがあります。
あらかじめ換気を行うことで、船内の空気を新鮮に保ちにおいによる不快感を軽減できます。
窓を開ける、換気扇を利用するなどして、常に清潔で快適な船内環境を維持しましょう。
これにより、においによる船酔いの予防につながり、より楽しい船旅を実現することができます。
読書やゲーム、スマホなどの使用は控える
読書やゲーム、スマートフォンは、船酔いの大きな原因です。
船が揺れている時にこれらを使用すると、視覚情報や身体感覚の間で矛盾を生じさせ、乗り物酔いを誘発することがあります。
そのため、船内ではできるだけ読書やゲーム、スマートフォンなどのデジタルデバイスの使用を控え、船酔いを予防しましょう。
外の自然な風景を楽しむことで、乗り物酔いのリスクを減らすことができます。
船酔いしない人の特徴
船酔いしない人には、特定の共通点があります。
ここでは、船酔いしない人の特徴について詳しく解説します。
乗り物に慣れている人
船酔いしない人は、乗り物に慣れている人が多いです。
乗り物に頻繁に乗ることで、体は徐々にその感覚に慣れ、乗り物酔いを起こしにくくなります。
特に、小さい頃からさまざまな乗り物に頻繁に乗っている人は、船酔いを含む乗り物酔いに強いです。
これは、乗り物の動きに対する身体の適応能力が高まるためで、不快な揺れにも平静を保つことができるようになります。
三半規管が強い
三半規管は、人間の平衡感覚を司る重要な器官で、その機能が生まれつき強い人は乗り物酔いになりにくい傾向にあります。
これは、船や車などの乗り物の動きに対して身体が効率良く適応し、平衡感覚を保つことができるためです。
また、日常生活でバランスを要する運動に取り組むことにより、三半規管を鍛え機能を向上させることができます。
特に、トランポリンやバランスボールを使った運動は、三半規管を鍛えるうえで効果的な運動です。
しかし、三半規管が強い人でも疲労や体調不良が原因で乗り物酔いのリスクが高まるため、体調管理には注意しましょう。
船酔いしやすい人の特徴
続いて、船酔いしやすい人の特徴について解説します。
小学生~中学生
年齢による違いも船酔いのリスクに影響します。
特に小学生から中学生の子どもたちは、成長過程にある三半規管が未熟なため船酔いしやすいといわれています。
この年齢層の子どもたちは、乗り物の揺れに対する耐性が低く、特に長時間の船旅においては注意が必要です。
また、2歳頃の乳幼児では、脳の働きや三半規管が発達しきっていないため、基本的には船酔いは起こりません。しかし、徐々に酔いやすくなったり反対にまったく酔わなかったりと、人によって違いがでてきます。
めまいやふらつきが頻繁に起こる人
日常生活でめまいやふらつきを頻繁に経験する人も、船酔いしやすい傾向にあります。
これは、平衡感覚を司る内耳の機能に何らかの問題があることが原因であることが多いです。
このような症状を持つ人は乗り物の揺れに対して敏感であり、少しの揺れでも船酔いを引き起こしやすくなります。
体質によっては大人も船酔いしやすい
大人でも体質によって船酔いしやすい場合があります。
特に、アレルギー体質の人や低血圧、腸内環境の不調を抱える人は、乗り物酔いになりやすいです。
アレルギー体質の人は、アレルゲンに反応して放出されるヒスタミンが嘔吐中枢を刺激するため、船酔いしやすくなります。
低血圧の人は血流の不足により、脳への酸素供給が不十分になることで乗り物酔いを引き起こしやすいです。
また、腸の調子が悪い人は自律神経の乱れから、乗り物酔いをしやすい体質になりやすい場合が多いです。
シンフォニークルーズなら船酔いしやすい人でも安心
シンフォニークルーズでは、当日の天候や会場模様を考慮したうえで東京湾の穏やかな水域を航行するため、船酔いが心配な方でも安心です。
さらに、シンフォニークルーズではお客様が快適にゆったりとお楽しみいただける船旅の時間を提供しております。
この機会にシンフォニークルーズでのクルージングを体験し、一生忘れられない思い出を作ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
この記事では、船酔いの原因や船酔いを簡単に解消する方法、予防法などについて解説しました。
船酔いは個人の体質や状況によって引き起こされるため、その予防と対処法はさまざまです。
重要なのは船旅の前に適切な準備を行い、船酔いの症状が出た場合には適切な対処法で迅速に対応することです。
たとえば、酔い止めや十分な水分補給、良質な睡眠など簡単にできる予防策を積極的に取り入れましょう。
船酔いをせずに安心して快適な船旅を楽しむために、ぜひこの記事を参考にしてください。